60歳を過ぎてからの「ものわすれ」だけでなく、「気分が落ち込む」「イライラする」「急に不安になる」といったこころの変化は、認知症のごく初期のサイン(MCIやMBI)かもしれません。
現在、アルツハイマー病には病気の進行そのものを抑える新しい点滴治療(抗アミロイドβ抗体薬)が登場していますが、この治療を受けるには「早期での発見と対応」が絶対条件です。
いきなり大病院を受診すると選定療養費がかかるため、まずは当院の「脳とこころの専門外来」を最初の窓口としてご活用ください。当院で丁寧なスクリーニングを行い、必要に応じて初回導入施設へお繋ぎするほか、治療開始後の点滴治療や日常ケアまで一貫して親身にサポートいたします。
年齢のせいだと諦めていませんか?
ご自身やご家族に、次のような変化はありませんか?
- 最近、人の名前や物の置き場所をよく忘れる
- 以前は楽しんでいた趣味に、興味が湧かなくなった(無気力・うつ)
- ちょっとしたことでイライラし、怒りっぽくなった(易怒性)
- 「財布を盗まれた」など、事実とは違うことを言うようになった(妄想)
- 些細なことで強い不安を感じるようになった
「ものわすれ」はもちろんですが、実は「うつ」「イライラ」「不安」「妄想」といった精神的な症状が、認知症の初期サインとして現れることは非常に多くあります。これらは決して「性格が変わった」のではなく、脳の変化によるサインかもしれません。
知っておきたい「MCI」と「MBI」
認知機能が低下し始める「MCI(軽度認知障害)」
MCIとは、認知症の一歩手前の状態です。日常生活には大きな支障がありませんが、同年代の人に比べて「ものわすれ」が目立ちます。この段階で適切な介入を行えば、進行を食い止めたり、健全な状態に戻る可能性もあります。
こころ・行動から変化が現れる「MBI(軽度行動障害)」
MBI(Mild Behavioral Impairment)とは、50歳以降に新しく現れた「気分の落ち込み」「怒りっぽさ」「幻覚・妄想」「無気力」などの精神症状が続く状態のことです。
実はアルツハイマー病などの初期には、記憶力よりも先に「こころの変化(精神症状)」が現れるケースがあります。「うつ病だろう」と見過ごされてしまうこともありますが、MBIに早く気づき、認知症の専門医療機関を受診することが早期治療への重要な第一歩となります。
画期的な新薬「抗アミロイドβ抗体薬」とは?
現在、アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI)および軽度認知症に対して、病気の原因物質(アミロイドβ)を脳内から取り除き、進行そのものを抑える「抗アミロイドβ抗体薬(レカネマブ、ドナネマブ等)」による点滴治療が2023年末から可能になっています。
この新しい治療を受けるには、脳の神経細胞が大きく壊れてしまう前(MCIや軽度認知症の段階)で診断を受けることが必要となります。「まだ大丈夫」と様子を見ているうちに、治療を受けられるタイミングを逃してしまうケースが少なくありません。
新しい治療を受けるためのステップ(当院を窓口にするメリット)
「最新の治療を受けたいから」と、紹介状なしで最初から大きな病院(初回導入施設)を受診すると、選定療養費がかかる上、予約が数ヶ月待ちになることがあります。
そこでおすすめしたいのが、当院の「脳とこころの専門外来」を最初の窓口(フォローアップ施設)として活用するステップです。
-
ステップ1:まずは当院へご相談(脳とこころの専門外来)
選定療養費は不要です。丁寧な問診や心理検査を行い、精神症状や認知機能低下について評価します。そのうえで、新薬の適応になる可能性があるかを的確に評価します。新しい治療についての不安なことや疑問点をお聞かせください。豊富な経験と、最新の情報をもとに情報提供をします。 -
ステップ2:基幹病院(大病院)へスムーズに紹介
新薬の適応可能性があると判断した場合、当院から紹介状を作成し、検査・投与対応を行っている「初回導入施設」へスムーズにお繋ぎします。 -
ステップ3:通い慣れた当院で継続治療・ケア
初回導入施設での精密検査や6ヶ月間の初期投与が完了した後は、再び当院で定期的な点滴(維持療法)を継続します。体調管理や介護保険のご相談まで、長期的にサポートいたします。
「少し変だな」と思ったら、ためらわずにご相談ください
認知症の早期発見・早期治療は時間との勝負です。ご本人が受診をためらう場合は、ご家族からのご相談(家族相談)も受け付けております。
診療科名:脳とこころの専門外来(ものわすれ外来)
※ご不明な点や受診のご相談は、お気軽にお電話でお問い合わせください。

この記事の執筆者
岩田 邦幸 (笠寺精治寮病院 副院長 / 医学博士)
精神保健指定医、日本専門医機構精神科専門医、日本神経学会専門医・指導医、日本認知症学会専門医・指導医、日本老年精神医学会専門医・指導医、日本内科学会総合内科専門医、臨床神経心理士、日本医師会認定産業医。脳神経内科と精神科の二刀流Drとして両科の知識と経験を活かし、「脳とこころの専門外来」にて最新のエビデンスに基づいた神経精神分野(neuropsychiatry)の診療、パーキンソン病治療、認知症治療・BPSD治療などを提供している。